1.背 景 |
近年、自動車の安全・環境性能向上の必要性が高まっており、電子制御による新技術の利用が広まっています。 |
この優れた性能を使用過程時において適切に維持するにはスキャンツールの使用による点検整備が確実かつ効率的な方策です。このため、道路運送車両法に基づき使用者が行う点検整備が新技術に対し、スキャンツールを使用して円滑に実施されるよう、平成23年3月、J-OBDUを活用した点検整備に係る情報の取扱指針(平成23年国土交通省告示第196号。以下単に「OBD告示」という)を策定しました。これにより、J-OBDU(電子制御装置と接続された高度な車載式故障診断装置)の装備が義務付けられた自動車(ガソリン又はLPGを燃料とする乗車定員10人以下の自動車又は車両総重量3.5t以下の自動車)を対象として、自動車製作者等が点検整備に必要な情報の提供をすることやその提供方法を定め、スキャンツールの使用による点検整備を可能とする環境整備を行ったところです。 |
一方、J-OBDT(電子制御装置と接続された車載式故障診断装置)の装備が義務付けられている軽油を燃料とする普通自動車及び小型自動車についても、新長期規制等の強化された排出ガス規制の導入等を背景として、電子制御装置の普及が進んできています。このため、当該装置についても、道路運送車両法に基づき使用者が行う点検整備がスキャンツールにより円滑に実施されるよう措置することが必要になっています。 |
このため、今般、これらの自動車について、自動車製作者等が新技術の点検整備に必要な情報の提供をすることと方法について規定することを目的として、OBD告示を改正しました。 |
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2.概要 |
(1) 適用対象(第3条) |
・本指針の改正により、平成17年10月1日(継続生産車又は輸入された自動車にあっては平成
19年9月1日)以降に製作された軽油を燃料とする新長期規制の対象である普通自動車及び
小型自動車であって車両総重量3.5tを超えるものについても本指針の対象自動車とします。
但し、一型式当たりの年間販売台数が50台以下の自動車は、本指針の適用対象外とします。 |
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(2) 点検整備情報等及び外部故障診断装置開発情報の提供(第4条及び第5条) |
・自動車製作者等は、適用対象自動車について排気に係る装置の点検整備を行うにあたって必
要となる整備要領書等の技術上の情報の提供を行うものとします。 |
・点検整備情報等で盗難防止装置の機能に係るものについては、提供方法に制限を加えるもの
とします。 |
・自動車製作者等は、適用対象自動車について排気に係る装置の外部故障診断装置の開発に必
要となる技術上の情報の提供を行うものとします。 |
・自動車製作者等は、点検整備情報等及び外部故障診断装置開発情報のうち、提供することに
より不正改造等につながる可能性のある情報については、提供を行わなくてよいものとしま
す。 |
・提供した点検整備情報等及び外部故障診断装置開発情報の内容に変更があった場合は、その
内容を適切に提供するものとします。また、点検整備情報等及び外部故障診断装置開発情報
の提供は、特定の者に対し不当な差別的扱いをするものではなく、有償の場合は適正な価格
で行われるものとします。 |
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(3) 国土交通大臣の確認等(第7条) |
・自動車製作者等は、点検整備情報等及び外部故障診断装置開発情報の提供等について、この
指針に適合しているか否か、国土交通大臣に確認を求めることができるものとします。 |
・国土交通大臣は、確認を行った場合、その内容を公表するものとします。 |
・国土交通大臣は、点検整備情報等及び外部故障診断装置開発情報の提供等に変更があった場
合についても、その内容を公表するものとします。 |
・国土交通大臣は、確認した内容がこの指針に適合しなくなったと認める場合、確認を取り消
すことができるものとし、その内容を公表するものとします。 |
・国土交通大臣は、自動車製作者等に対し、この指針に適合するよう指導及び助言を行うこと
ができるものとします。 |
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(4) 適用時期 |
・本指針は、平成26年1月1日から適用します。 |
・輸入自動車に対しては、前述の適用日から2年後から適用します。 |
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3.公示日 |
平成25年11月29日 |
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【参 考】 |
(1) 国土交通省 「報道発表資料(平成25年11月29日)」 |
(2) 国土交通省 「報道発表資料(平成23年03月02日)」 |